JT65はQRP用モード?2017年08月14日 11時12分08秒

JT65、このモードをQRP用モードだと言い切る方はこのモードの歴史をどう解釈しているのでしょうか?

https://en.m.wikipedia.org/wi…/WSJT_(amateur_radio_software)


JT65, developed and released in late 2003,[3] is intended for extremely weak but slowly varying signals, such as those found on troposcatter or Earth-Moon-Earth (EME, or "moonbounce") paths.[2] It can decode signals many decibels below the noise floor in a 2500 Hz band (note that SNR in a 2500 Hz band is approximately 28 dB lower than SNR in a 4 Hz band, which is closer to the channel bandwidth of an individual JT65 tone), and can often allow amateurs to successfully exchange contact information without signals being audible to the human ear. Like the other modes, multiple-frequency shift keying is employed; unlike the other modes, messages are transmitted as atomic units after being compressed and then encoded with a process known as forward error correction (or "FEC"). The FEC adds redundancy to the data, such that all of a message may be successfully recovered even if some bits are not received by the receiver. (The particular code used for JT65 is Reed-Solomon.) Because of this FEC process, messages are either decoded correctly or not decoded at all, with very high probability. After messages are encoded, they are transmitted using MFSK with 65 tones.[8]

Operators have also begun using the JT65 mode for contacts on the HF bands, often using QRP (very low transmit power);[9] while the mode was not originally intended for such use, its popularity has resulted in several new features being added to WSJT in order to facilitate HF operation.[10]

wikiのコピペなので注釈の番号が入っています。


もともと対流圏通信やEME用に開発された 微弱電波用モード です。EMEをやる際はパワーを出します。でも月で反射されて戻ってくるのは非常にか弱い電波です。CWでは聞き取れないような微弱電波でもPCを使うことにより、何処ぞの誰からの信号だと解析して交信にたどり着けるのです。このモードを電離層反射でも応用して、微弱な電波でも交信が可能になったというのが現状です。
弱い電波でも交信が可能になった=QRPで運用すべき   ではありません コンディションが悪くて、自分はパワーを出しているのに相手には弱くしか届かないというような場合に有効なモードなのです。
コンディションが良い時にQRP同士でもできます、というのであれば楽しみ方の一つだし良いでしょう。しかし常にQRPで、10Wから30Wくらいが適正、などというのは自ら交信のチャンスを削るようなもの。私は賛同できません。

6m bandでDXをやる方でそんな事を言っている人はいないでしょう。まずは相手に自分の電波を届かせねばなりません。6m bandのDXの伝搬はHFのそれと比較すれば全く異なります。皆さんそれを理解していますから、自分の持てる力を注ぎ込みます。QRP用モードと誤った認識を植え付けられたHF帯のJT65愛好者の皆さんからすれば、狂気の世界に見えるかもしれません。しかしもともとEME用に開発された経緯を見れば、6m bandの運用方法こそが適切な運用方法と言えるのではないでしょうか。6m でDXをやる方にとっては、「非常に弱い伝搬で、非常に弱い電波しか届かない、届いてこない場合にでも通信を成功させるための便利なツール」なのです。

JT65にはパワーは必要ない。
ワイヤーアンテナ、釣り竿アンテナでもDXが出来ます。

よく見かけるフレーズです。しかし私はゲインのないアンテナを使っている方こそパワーを出して運用したら良いのにと思います。まずは相手に届かせること。あとは相手が誰に応答するかは相手次第。当たり外れで一喜一憂の世界です。届いてないのに一生懸命呼んでも無駄です。

もちろんQRPで楽しむのも良いでしょう。しかしそれが標準だと、マナーだと、さらにはルールだと他人に押し付けるのはどうかと思います。

EMEも6mのDXもギリギリのラインでやっています。HF帯のJT65で広まった誤った認識は通用しません。

ちなみに私のHF帯のアンテナはマイナスゲインのものばかりです。例えば-25dBとかそれ以下の弱い信号の局を呼ぶ際はパワーを出して運用します。実効出力はアンテナの利得と送信電力によるものですから、利得のあるアンテナで低い送信電力の方と変わりません。


JT65はQRPで。この誤った認識をJAに広めたのはこの業界を代表する某C誌でしょうね。


さて、今日こんな記事を書いたのはQRLを聞いたからです。
http://qrl-599.seesaa.net/article/452188444.html
http://qrl-599.seesaa.net/article/452402483.html

この二回でJT65を特集してますが、初回でJT65の歴史にも触れています。もともとはEME用に開発されたと。それをHF帯に応用しているのだと。
聞いていればわかりますが、いい意味でお気軽なんです(^^)。ギリギリの信号を追いかけるということに使うという視点がありません。お気軽DXならQRPでもなんでも良いですね(^^)。

でもQRPが標準だなんて言い切らなで欲しいなあ。と思いました。