PCを買い替えるべきか ― 2025年12月06日 12時03分54秒
アマチュア無線を楽しんでいる方なら、「そろそろPCを買い替えたほうが良いのでは?」と考える瞬間があると思います。
特に最近は FT8 の普及により、PC が無線運用の “中心装置” になったと言っても過言ではありません。
私自身、
Intel Core i9-9900K / 32GB RAM / NVMe SSD / GeForce GT 1030
という構成のPCを7年ほど使い続けてきましたが、果たして買い替えるべきか? という疑問を改めて検証しました。
今回は、FT8・JTDX・WSJT-X、そして CTESTWIN や Turbo HAMLOG を日常的に使用する立場から、買い替え判断の基準を書いてみたいと思います。
■ 現状のPCスペックと使用状況
ブログの前提となる私のPC環境は次の通りです:
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CPU:Intel Core i9-9900K(8C/16T)
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メモリ:32GB(2666MHz)
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GPU:GeForce GT1030(2GB)
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ストレージ:NVMe SSD 1TB
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OS:Windows 11 Pro 25H2
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用途:FT8(JTDX / WSJT-X)、CTESTWIN、Turbo HAMLOG
9900K は2018年のCPUですが、現役で通用するだけのスペックを持っています。
スクリーンショットを撮ってみると、FT8デコード中に CPU 使用率が一瞬だけ 60〜70% に跳ね上がるものの、その後はすぐに低負荷へ戻り、全体として「非常に安定している」ことが分かりました。
■ FT8 のデコードは CPU をどこまで使うのか?
結論を先に言うと、
🔵 9900K は FT8/JTDX のデコードには“十分すぎるほどの性能”を持っている
これが全てです。
● なぜ 9900K で十分なのか?
-
FT8 のデコードは 一瞬で終わる軽量処理
-
現行の JTDX/WSJT-X は GPU を使用しない
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9900K のシングルスレッド性能は今でも高い
-
メモリ 32GB は完全に余裕
-
NVMe SSD でログ処理は高速
つまり、FT8 に関して言えば 現在のCPUを買い替えても体感差がほぼ無いということです。
■ JTDX はマルチスレッド対応。でも 9900K で十分か?
「JTDXはマルチスレッドだから、高性能CPUが必要なのでは?」
と考えがちですが、実はそうでもありません。
JTDX の内部処理は:
-
周波数領域を複数スレッドで並列処理
-
AP デコード(弱信号補正)の追加スレッド
-
複数デコード候補の同時試行
など、確かにマルチスレッド処理を行っています。
しかし、1スレッドあたりの負荷が非常に小さく、8コア16スレッドの 9900K では完全に余裕があります。
実際、デコード処理は数百ミリ秒で終了し、次の15秒までCPUはほぼアイドル状態です。
つまり、
🔵 9900K の性能を使い切っていない → 買い替えの必要なし
ということになります。
■ CTESTWIN や Turbo HAMLOG はどうか?
これらはさらに軽量なアプリケーションであり、
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ログの書き込み
-
リアルタイムデータ処理
-
デコード情報の取り込み(UDP連携)
いずれも CPU とメモリへの負荷はごく僅かです。
CTESTWIN に至っては、Pentium 4 の時代でも動かせるレベルの軽快さがあります。
▶ 9900K + NVMe SSD + 32GB RAM
これは ロギング用途としては完全にオーバースペック級。
無線用途としては何の不満もありません。
■ では、買い替えが必要なケースは?
次のような使い方をする場合のみ、
買い替えを検討する価値があります。
✔ ① 10バンド同時デコード(SDR多重運用)
✔ ② 1MHz以上の広帯域を常時監視したい
✔ ③ AI化された次世代デジタルモードを使用予定
(今後 GPU を必要とする可能性がある)
逆に言うとこれらに該当しないなら…
🔵 9900K のままで全く困らない
■ 結論:現状のPCは“非常に理想的”。買い替え不要。
FT8 のデコード画面を眺めていると、CPUのグラフが周期的に跳ね上がり、
「負荷が高いのでは?」と思ってしまいます。
しかし、これはデコード処理を並列で実行しているだけであり、9900K の性能なら余裕で処理できています。
全体として、以下のことが言えます:
✅ **FT8 / JTDX / CTESTWIN / Turbo HAMLOG という用途では、
i9-9900K は現役バリバリ。買い替える必要なし。**
もし買い替えるとすれば、無線よりも 動画編集・AI利用・ゲーミング などの用途が主目的になるでしょう。
アマチュア無線中心であれば、今のPCで十分に快適な運用が続けられます。
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