いまこそJARLは行動すべき2010年12月02日 18時24分11秒

LED照明(電球や街灯など)が出すノイズについて色々と調べてきました。

メーカーや輸入品販売店にノイズ対策がどうなっているのかという質問メールを出し、回答を紹介してきました。実際ノイズが出ているのを認め、今後対策を取ると回答してきたメーカーもありました。今まで届いた各社からの返答によると、JIS規格内、電気用品安全法の規格内、VCCIクラスBの基準を満足、CE規格に合格というばらばらの回答です。現時点ではLED照明は「電気用品安全法」では規制されていません。しかし法改正でその網が今後かかります。

LED照明と電安法

照明器具からの妨害電波の指針

ここで問題なのは「電安法」の所管省庁は「経済産業省」で、「総務省」所管の「電波法」で言うところの「ノイズ」「妨害波」と観点が違うことです。「エコ」という名の武器が経産省にあるため、我々が問題視するレベル以下にその基準が抑えられるのでしょうか不安です。

メーカーはもちろん真剣にノイズ問題に取り組んでくれていると信じてはいますが、外国のメーカーなどは疑問が残ります。一度家庭に入り込んでしまうと、「10年」という長期間使用されてしまいます。

先月の臨時総会でJARLが一般社団法人に変わる為の定款が可決成立しました。これによって新社団法人は、総務省における監督の縛りから外れると同時に、庇護も優遇もされなくなるおそれがあります。

今こそJARLはロビー活動に動くときではないでしょうか。総務省だけでなく経産省にもチャンネルを持ち、必要な交渉をすべきですが、果たしてJARLは経産省にチャンネルを持っているのでしょうか。疑問です。
しかし今動かずしていつ動くのかという時期です。なんとしても理事の方々には実際に足を運んでいただき、担当課長などと直接交渉の機会を持つべきです。
ノイズが問題なのは我々アマチュア無線家だけではありませんPLCの時も問題となりましたが、各種業務無線、電波天文、医療機器への影響など各方面に及びます。場合によっては一般家庭でのTV視聴やラジオ聴取、オーディオなどにも影響します。PLCでは誤った判断をしたJARL(私はそう思っています)ですが、LED照明のノイズ問題では同じ過ちを犯すことなく、各業界・団体にも働きかけ共同歩調を取るべく動いて欲しいと考えます。
JARLメールマガジンやJARLニュース等を通じ、会員に広く認知させると同時に、会員以外のアマチュア無線家にも同じ問題意識を持って貰えるような対策をお願いしたいと思います。

PLC、太陽光発電のパワーコンディショナーなど、LED照明と同じようにノイズをばらまく機器がますます世の中に増えようとしています。「エコ」の名の前に我々が不利益を被らないよう是非対策をお願いしたいです。もちろんお願いするだけでなく、会員の一人として、アマチュア無線家として協力は惜しみません。アマチュア無線家の中には色々な方がいらっしゃると思います。JARLが持っていない交渉のチャンネルを持っている方もいるかもしれません。そのように方からも協力を得られるよう、広く広報して行かなくてはならないと考えますがいかがでしょうか。


JARL改革、新約款の制定など身内の仕事もあるとは思いますが、対外的な交渉も合わせて進めていかねばならないでしょう。

何のためにJARLが存在するのか。 決してQSLの転送だけではありません。社会的に見てアマチュア無線家の代表窓口だと考えます。会員の利益だけでなく、アマチュア無線家全体のために存在しているのだと思います。
JARLは受信環境クリーン協議会や電波環境協議会にも参画しているので、こらの機関や地方総合通信局の受信環境対策官とも協調して対応して行きたいと先日回答を得ていますが、総務省関連だけでなく経産省にも積極的な働きかけをして欲しいところです。

私のブログでLEDノイズ関連の記事は、カテゴリー「LEDノイズ」にあります。


追記
国連が 「最も簡単な温暖化対策は電球交換」 だとCOP16の中で報告しました。ますますLED電球普及への加速がつきそうです。