6mの運用について その2 ― 2013年05月29日 10時24分23秒
私は 50MHz BAND が憎悪渦巻く敷居の高いバンドとは微塵も思っていません。
それにあそこにリンクを並べられた他のページと私の記事は一切関係もなく、性質も全く異なるものです。
リンク元のページの管理者JJ1WTL本林さんには以下の様なメールを出させて頂きました。
こんばんは。 杉並区のJP1LRT 津久浦と申します。いつぞやはBlogへのコメント ありがとうございました。 さて、今日のBlogへのアクセス解析をしていたところ、貴局のBlog からのアクセスが急増していたので訪問させて頂きました。 そこで当方のブログへのリンクを見たのですが・・・ 6m band を 「憎悪渦巻く敷居の高いバンド」 と表現して、その 下に私のBlogへのリンクを貼るのはあまり嬉しくないと感じております。JJ1WTL 本林さんご自身は
その他のページヘのリンクも有りますが、私のBlogとは性質が全く異なる
ページであり、同列ですとそのような目で見られかねません。 インターネットの世界は公開してしまえばリンクもフリーですので いちいちリンクの可否を確認する必要もありませんが、今回の件は リンクをはられた側としては 「あまり嬉しくない」 とお伝えして おきます。 リンクそのものは禁止もしておりませんし、貼っていただいたリンクの 削除要請もいたしませんが、私は6mは「憎悪渦巻く敷居の高いバンド」 とは思っておりませんし、私の記事がそれに該当するとも思っておりま
せんことも合わせてお伝えしておきます。 de JP1LRT 津久浦慶治
1.「バンドうちのここは開けろ」という意見は正しいと感じている。
2. 6mに滅多に出ない者の一人としては, Blogの内容な様なやりとりを眼にすると
かたくなな主張を曲げない怖いおじさんたちのDXバンド、という印象をどうしても
持ってしまう。
そうです。
以上を踏まえてお読みいただけると幸いです。
以下元記事
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6mの運用について という記事を書きました。
http://jp1lrt.asablo.jp/blog/2013/05/18/6814085
要旨は 50.080MHz-50.150MHz は国内向け運用には使用しない
と言うことです。
これについてお手紙を頂きました。以下その要約です。
1.慣習・紳士協定なるものは知らない。ローカルの誰も知らない。
2.長年6mに出ているが、DXのための配慮は 50.110MHz ワンテンに出ないこと。
ワンテン前後をよく注意することと理解していた。
3.紳士協定なるものはいつできたのか?誰が作ったのか?JARLのしかるべき委員会で
話し合われたのか?
4.現状でもビーコンがあるためCW専用帯域は狭く感じる。その上一部DX愛好家の
ために常時 50.080-150MHzの70KHzを立ち入り禁止にするのは甘えすぎだ。
明らかに法律違反の押しつけだ。反省しろ。
5.そのような事をしなくとも混乱無く6mのDXはできている。ハムは等しくあるべき。DXerの
特権階級をつくるな。
手紙の最後には何エンティティーとQSOしたとか何エンティティーからのQSLをお持ちだと書かれていました。
以上ですが・・・・・・ 正直論点と視点がずれすぎています。
私が返信として書いた手紙は以下の通りです。
J************ ********様
こんにちは。お手紙受領いたしました。ありがとうございました。
今年もEsのシーズンが始まり各地が入感してくるようになりましたね。HFのハイバンド
も含めて楽しい季節となりました。
さていわゆる慣習・紳士協定ですが、私が開局しました1983年には既に存在していた
ようです。コールサインは忘れましたが、ローカルのOMさんから色々教えていただき
ました。しかもお一人ではなく多くの方が開局したての私に
50.150MHz より下では出ないように。
と教えてくださいました。当時電話級の私にはそれで十分だったのでしょう。
なぜ50.150MHzより下に出てはならないか、OM諸氏の教えは要約すると以下の通りで
した。
1.6mにおけるDXのメインストリートはいわゆるワンテンと呼ばれる
50.110MHzである。 これは国際的にもDX Windowとして認知されており
この周波数をみんなでモニターする事により、DX Openを把握する。
2.ワンテンで交信が成立した後はワンテンから他の周波数に移るが、概ね
ワンテン周辺である。
3.したがってワンテンを中心としたDXのメインストリートはいつもクリアーにして
おき、不要なQRMを与えるべきではない。
4,6mのDXはその周波数の特性上、HFのDXと比較してオープンの頻度はかなり
下がる。それを考えればDXをメインに考える方々との軋轢を生む必要性は無い。
6mは広いバンドなのだ。
だったと思います。当時高校生だった私はなるほどと思い、触らぬ神にたたり無しでそれに従いました。
開局から既に30年が経過しましたが、私はその慣習は正しいと思いますし、守るべき物
だと考えています。
6m BAND は広いバンドです。 下に固執しなくてもいいでしょう。 むしろ上に広がって
運用した方が余裕がありますし、DXから離れて運用することによりDXerからの軋轢もなく、スマートな印象を受けます。いまやインターネット、clusterなど運用情報はすぐに入手できます。上に出たから呼ばれないということもありません。
なぜ 50.110MHz をDX Windowとして6mのDXは運用されてたのか。その昔はインターネットやクラスターはありませんでしたから、特定の周波数を決めてオープンを皆で探る必要性があったからです。先にも書きましたが、今ではネットやクラスターで情報が入手できますので、あえてワンテンに出てこない局もいます。DXの世界でもバンドを広く使おうという機運もあります。
私は DXer ではありません。 当然DX至上主義者でもありません。分類されるならばContester です。
ご存じの通り6mは変化に富んだバンドであり、色々な使い方、楽しみ方ができるバンドです。したがって同じ6m BANDを愛する人達が、それぞれの分野でなんのストレスもなく楽しむには、「分離」が必要だと思っています。6mのDXはHFのDXに比較して、その周波数特性からオープンの頻度が低くなっています。これは皆さんご理解いただけると思います。
また昨年コンテストからDXへのQRMを避けるためにコンテスト用周波数が移動しました。コンテストのCWが 50.050-090MHzだったため、DXに対しQRMとなる場面もあったためです。移動したおかげで、DXerの方はコンテストからのQRMを気にすることなくワッチができるようになり、コンテストに参加の局もDXとのQRMを気にしなくて良くなりました。お互いがお互いの分野でそれぞれメリットがあったのです。
一般の国内向け運用も紳士協定・慣習を守ってみんなが楽しく運用できるよう心がけたいものです。 バンドが広いからこそ分散が可能です。
紳士協定ができた背景にはそのように 「同じバンドを愛する人達が、趣向の違いから軋轢を生むのを避けよう」 という事があったのだと思います。誰と誰がどこに集まって決めたとかましてJARLが決めたとか言う物ではなく、自然発生した 「慣習」 です。
これは甘えすぎとか反省しろとかいうご指摘を受ける物ではなく、みんなが楽しくなんの問題もなく 「広い 6m BAND 」 を楽しむための工夫だと思います。 CW はCW専用帯だけでなくPhoneの帯域でも運用可能で、ご存じだと思いますが、6mではむしろPhoneの帯域での方がCWの運用者は多く、またQSOの機会も多くなっています。
逆に質問ですが、なぜ低い周波数にこだわりがあるのでしょうか? 例えば先日運用されていた(注1)50.1**MHz と 50.1**MHzでは飛びに極端な差があるとお考えでしょうか? 低い周波数の方が呼ばれるとお思いなのでしょうか?私は飛びには(国内向け運用の)全く差がないと思いますし、また低い周波数だとこの慣習を知っている人はまずコールしませんから、呼ばれる数は減ると思います。200前後の方が国内QSO重視の人が聞いてる率が高いと思いますし、DXを重視してる人からも疎まれずに呼んでもらえると思います。
OMが古くから色々なご活動をされてきた結果、今のアマチュア無線界があるのは重々承知しています。しかし時代とともに物事は変化します。今や6mのDXは SSN の高い時期のF2反射だけでなく、SSNに関係ない夏場のEsのマルチホップによる伝搬まで幅が広くなっています。特に夏場のマルチホップによるヨーロッパや中近東、北米との交信は、非常に弱い信号を受信しなければならず、Esの1ホップで届く国内の信号とは比べものにならないほどの弱い信号です。F2で59+++で入るような信号とは全く別物です。それを考えただけでDXerでなくとも、DXにさほど興味が無くともこれは自分の信号がQRMになってはならない、同じバンドを愛する人の邪魔はしたくないと思うのはごく自然なことではないでしょうか?
また台湾などは 50.000-50.150MHzと狭い周波数しか免許されていません。それに比べJAは4MHzもライセンスされているのです。上へ上へと広がった方が色々な意味で合理的だとはお思いになりませんか?
私は開局の頃教わったこの 「紳士協定」 「慣習」 は非常に合理的であり、DXerが特権階級であるとはみじんも思いません。
みんなが等しく楽しむための 「合理的な工夫」 であると考えます。
再度申し上げますが、私はDXerでもDX至上主義者でもありません。、何エンティティー交信しているとか、どこそこのQSLを持っているとかそういう事を他の方に言う必要もないし、聞いたところでその方が偉いとかは思いません。色々な楽しみ方があってその一つでしかないからです。
DXerでもDX 至上主義でもなく、私はコンテスターと分類される者ですが、その前に
50MHz、6mの愛好家 「6mマン」
であります。 一般QSOも沢山しますし、コンテストも頑張ります。DXだって聞こえれば当然コールします。QSOしたいです。 当たり前です。
OMも6mには特別な思い入れがあるとのこと。 同じ6mマンです。きっと通じることができると信じてこの手紙を書かせていただきました。
私が何エンティティーとQSOしたとかどれだけのQSLを持っているというのは、私を測る一つのツールになるのかもしれませんが、私自身それだけで判断されるのは望むところではありませんので書かないでおきます。しかしアマチュア無線家の方に、その運用について意見させていただくと多くの場合、その方が何エンティティーとQSOしてDXCCオナーロールであるとかを手紙かメールの最後に書いて来ます。私にはなんの意味も無いのですが。
以前CQ誌の50MHzのエディターをされていらした JA1RJU 小笠原氏も氏のホームページで以下のように書かれています。
このバンドでは実際に運用する場合に電波法とは別に「暗黙の取り決め(ルール=
チョット大げさですが..)」があります。
これを知らず(無視して?)に運用しても、CQに対して応答がなかったり、突然、DX局
をコールする局のパイルの中に埋もれてしまったり、効率の悪い運用となります。
http://www5.big.or.jp/~ja1rju/six_doc.html
電波法には抵触しません。したがいましてOMが今後どのようなオペレーションをするかはOMの自由です。強制でもなく単なるお願いであり、慣習・紳士協定の紹介です。
長い文章になってしまい申し訳ありません。 しかしこの長さで私の 6m に対する思いの一部も表せたのかもと思います。
最後にOMのますますのご活躍をお祈りいたします。
JP1LRT 津久浦慶治
以上です。 注1 は前者はかなり低い周波数で、後者はごく普通に皆さんが使う周波数です。
皆さんはどのようにお感じになるでしょうか?
お分かりになると思いますが、これは私が提案した物ではなく、開局時に教わった事です。
追記:手紙の返信きました。http://jp1lrt.asablo.jp/blog/2013/06/11/6852796
☆50MHz バンドの使われ方。(50-52MHzまで編)☆
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