本日発売のCQ HAM RADIO誌に JTDX 2.2.160-rc8 の記事が書かれています。
御存知の通り JTDX の一般公開版の最新版は 2.2.159 です。
JTDXのrc版は WSJT-Xのrc版と異なり一般向けではありません。開発チームと開発チームが認めたベータテスターズだけが【試用】する内輪向けの限定公開版です。
誰でもダウンロードでき試用できるWSJT-Xのrc版にしても注意書きがあります。
Candidate releases are intended for beta testers: individuals interested in testing the program's new features and providing feedback to the WSJT Development Team.
ベータ版リリースは、プログラムの新機能をテストし、WSJT開発チームにフィードバックを提供するベータテスターを対象としています。
つまりWSJT-Xのrc版は誰でも入手して使うことはできますが、開発チームにフィードバックを行う事ができなければなりません。
なおさらのこと一般が入手できないバージョンのJTDXの解説を雑誌でしても意味はないと思うし、ましてや非公開バージョンの入手先を紹介するとはあり得ない事です。
実際にはJTDX ベータテスターズの中にも開発チームの意向に従わず漏出させている人もいます。悲しいことです。
私はJTDX ベータテスターズの一員として、新機能のテストやバグの報告、更にこういう機能があればより便利だという提案を行っています。ベータテスターズ間でのやり取りや開発チームを巻き込んだやり取りをしています。
デジタルに詳しい方に手伝ってもらいたいので、私は開発チームにお願いをして親しい6m DXer達やローカルのエキスパートに渡す許可をもらっています。そして彼らの試用のレポートをまとめ開発チームへフィードバックを行っています。
rc版の配信はメールで来ます。
internal trial そう、内輪向けなのです。
今回の記事の著者はベータテスターズのメールのリストには載っていませんでしたが、個別に配信を受けているそうです。でも個別とはいえ《試用》させてもらっているわけですのでベータテスターズの一員であることには違いがありません。であれば開発チームにの意向に沿った行動が求められるはずです。
一般向けに公開されていないことも当然知っているはずなのです。
しかしベータテスターズの一員ではない某局のページにダウンロードリンクがあると紹介してしまいました。 私はこの事実を知った直後に開発チームへ連絡したところ、開発チームの一員である Arvoさん ES1JA から当該局へ削除の依頼をメールで行ったそうです。 これが何を意味するかは言うまでもなく、開発チームは rc版の 公開を望んでいないということです。
幸いなことにリンクは既に削除されています。
そのままがリンクが削除されなければ、開発チームの意向とは外れた形でJAに『不正利用者』が増えてしまうことになるところでした。
私としてはとても残念です。 将来的にリリースされるであろうGA版の機能を紹介するのはまだ良いとしても、一般向けでないrc版の入手先を紹介することは、著者の言葉を借りますが 《開発チームへの感謝とリスペクトすること》 とは反していると思います。
JAはモラルがないと言われても仕方ない状況を作ることになるかもという事態の一歩手前でした。しかし雑誌に記事を載せてしまった事実は変わりません。記事にOKを出した編集部にも責任があります。JAの信頼度を下げる記事です。この後もしJAはJTDXの開発からはオミットするとか、現在日本語ローカライズは私が担当してますが終わりだと言われたらどう責任取るんでしょうか? それほどインパクトが大きな出来事だと当該関係者の方々には自覚してもらいたいです。
またネットにはrc版の記事を載せている人、JAの方もいます。仲間からもらったという感じで書いていますが、非公開版であることを承知でそれが何?と嘯いていらっしゃいますね。
鍵もかかっていない。誰でもダウンロードできる。
いやぁ・・・ すごい方々です。開発チームの意向を無視してもどうしても使いたいんですね。無人の野菜販売所から野菜を取っていくのと同じ感じがします。
自ら不正使用していることを告白しているなんて、普通の神経の人ができることではありません。 悲しいことです。
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