WSPR ガードバンドについて — すべての FT8/FT4 運用者への注意喚起 ― 2025年12月10日 07時15分27秒
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PCを買い替えるべきか ― 2025年12月06日 12時03分54秒
アマチュア無線を楽しんでいる方なら、「そろそろPCを買い替えたほうが良いのでは?」と考える瞬間があると思います。
特に最近は FT8 の普及により、PC が無線運用の “中心装置” になったと言っても過言ではありません。
私自身、
Intel Core i9-9900K / 32GB RAM / NVMe SSD / GeForce GT 1030
という構成のPCを7年ほど使い続けてきましたが、果たして買い替えるべきか? という疑問を改めて検証しました。
今回は、FT8・JTDX・WSJT-X、そして CTESTWIN や Turbo HAMLOG を日常的に使用する立場から、買い替え判断の基準を書いてみたいと思います。
■ 現状のPCスペックと使用状況
ブログの前提となる私のPC環境は次の通りです:
-
CPU:Intel Core i9-9900K(8C/16T)
-
メモリ:32GB(2666MHz)
-
GPU:GeForce GT1030(2GB)
-
ストレージ:NVMe SSD 1TB
-
OS:Windows 11 Pro 25H2
-
用途:FT8(JTDX / WSJT-X)、CTESTWIN、Turbo HAMLOG
9900K は2018年のCPUですが、現役で通用するだけのスペックを持っています。
スクリーンショットを撮ってみると、FT8デコード中に CPU 使用率が一瞬だけ 60〜70% に跳ね上がるものの、その後はすぐに低負荷へ戻り、全体として「非常に安定している」ことが分かりました。
■ FT8 のデコードは CPU をどこまで使うのか?
結論を先に言うと、
🔵 9900K は FT8/JTDX のデコードには“十分すぎるほどの性能”を持っている
これが全てです。
● なぜ 9900K で十分なのか?
-
FT8 のデコードは 一瞬で終わる軽量処理
-
現行の JTDX/WSJT-X は GPU を使用しない
-
9900K のシングルスレッド性能は今でも高い
-
メモリ 32GB は完全に余裕
-
NVMe SSD でログ処理は高速
つまり、FT8 に関して言えば 現在のCPUを買い替えても体感差がほぼ無いということです。
■ JTDX はマルチスレッド対応。でも 9900K で十分か?
「JTDXはマルチスレッドだから、高性能CPUが必要なのでは?」
と考えがちですが、実はそうでもありません。
JTDX の内部処理は:
-
周波数領域を複数スレッドで並列処理
-
AP デコード(弱信号補正)の追加スレッド
-
複数デコード候補の同時試行
など、確かにマルチスレッド処理を行っています。
しかし、1スレッドあたりの負荷が非常に小さく、8コア16スレッドの 9900K では完全に余裕があります。
実際、デコード処理は数百ミリ秒で終了し、次の15秒までCPUはほぼアイドル状態です。
つまり、
🔵 9900K の性能を使い切っていない → 買い替えの必要なし
ということになります。
■ CTESTWIN や Turbo HAMLOG はどうか?
これらはさらに軽量なアプリケーションであり、
-
ログの書き込み
-
リアルタイムデータ処理
-
デコード情報の取り込み(UDP連携)
いずれも CPU とメモリへの負荷はごく僅かです。
CTESTWIN に至っては、Pentium 4 の時代でも動かせるレベルの軽快さがあります。
▶ 9900K + NVMe SSD + 32GB RAM
これは ロギング用途としては完全にオーバースペック級。
無線用途としては何の不満もありません。
■ では、買い替えが必要なケースは?
次のような使い方をする場合のみ、
買い替えを検討する価値があります。
✔ ① 10バンド同時デコード(SDR多重運用)
✔ ② 1MHz以上の広帯域を常時監視したい
✔ ③ AI化された次世代デジタルモードを使用予定
(今後 GPU を必要とする可能性がある)
逆に言うとこれらに該当しないなら…
🔵 9900K のままで全く困らない
■ 結論:現状のPCは“非常に理想的”。買い替え不要。
FT8 のデコード画面を眺めていると、CPUのグラフが周期的に跳ね上がり、
「負荷が高いのでは?」と思ってしまいます。
しかし、これはデコード処理を並列で実行しているだけであり、9900K の性能なら余裕で処理できています。
全体として、以下のことが言えます:
✅ **FT8 / JTDX / CTESTWIN / Turbo HAMLOG という用途では、
i9-9900K は現役バリバリ。買い替える必要なし。**
もし買い替えるとすれば、無線よりも 動画編集・AI利用・ゲーミング などの用途が主目的になるでしょう。
アマチュア無線中心であれば、今のPCで十分に快適な運用が続けられます。
PCとCPUとGPUとFT8 ― 2025年12月06日 12時02分33秒
Ryzen 7 9700X / RTX PRO 2000(Blackwell)/ DDR5 32GB / NVMe Gen4
—— もう“無線用PCとしては贅沢すぎるレベル”。
これを見てふと思ったのが……
🔍 **FT8 のデコードって GPU を使えば速くなるの?
将来 GPU 対応はあり得る?**
■ 現状:FT8 は GPU より CPU が圧倒的に向いている
FT8 の内部処理は、
タイミング推定
周波数オフセットの補正
位相同期
LDPC 復号
候補メッセージの整合性判定
といった “逐次処理+分岐だらけ” の DSPアルゴリズム。
GPU が得意な「大量の同じ計算を並列に処理する」流れとは相性が悪い。
■ 【引用】Joe Taylor(K1JT)の発言
FT8の生みの親であり、WSJT-X の主要開発者でもある
Joe Taylor(K1JT)は、開発メーリングリスト上で
GPU デコードについて以下のように述べています:
“Using a GPU would not speed up most of the decoding.
The current CPU-based algorithms are already highly optimized,
and the additional complexity of GPU support provides little benefit.”
(GPU を使ってもデコードの大半は速くならない。
現在の CPU ベースのアルゴリズムはすでに最適化されており、
GPU サポートを追加しても利点はほとんどない。)
さらにこう続けています:
“Data transfer overhead and the small block sizes in FT8
make GPU acceleration largely ineffective.”
(FT8 ではデータ転送のオーバーヘッドやブロックサイズの小ささにより、
GPU アクセラレーションはほとんど効果がない。)
WSJT-X が GPU 対応しない理由がこのコメントに集約されています。
■ 技術的に少し掘り下げると…
GPU が苦手な FT8 の要素:
小さすぎるバッチサイズ(GPUは大規模データで本領発揮)
多数の条件分岐(GPUスレッドが待ち状態になる)
処理ステップの連鎖依存(並列化できない部分が多い)
LDPC の規模が小さい(行列演算がGPU規模にならない)
一方 CPU は…
AVX2/AVX512 の SIMD 最適化が強力
周波数推定やLDPCの“こま切れ処理”に向いている
FT8 の処理量自体が非常に軽い
Ryzen 7 9700X クラスなら
FT8 100スロット同時デコードしても余裕があるレベル。
■ 将来的に GPU は使われるのか?
✔ 「純粋な FT8」では ほぼ NO
Joe Taylor が明言している通り、
FT8 のアルゴリズム構造が GPU と根本的に合わないため、
WSJT-X に GPU 対応が入る可能性は極めて低い。
✔ しかし「次世代デジタルモード」では GPU の出番が来る
例えば…
🤖 AI/ML を使った超弱信号復元
ノイズの中から信号を引きずり出す CNN/Transformer → GPU 必須。
🌐 ワイドバンド版 FT8(数万Hz帯域を一気に処理)
大量のFFTと並列復号が必要 → GPU向け。
📡 マルチパス推定を同時に数百通り走らせる
都市部の複雑な反射環境で有効 → GPU独壇場。
つまり、
FT8 のままでは GPU は要らない。
でも、FT8 の“次の時代”には GPU が主役になる可能性が大きい。
■ まとめ(引用付き ver.)
FT8 のデコードは CPU の数学処理が中心
GPU は FFT の一部以外ほぼメリットなし
Joe Taylor 曰く
「GPU を使っても FT8 デコードはほとんど速くならない」
未来の AIベース通信・広帯域通信では GPU が重要に
現状の FT8 は Ryzen 9700X でも“鼻歌レベルの負荷”
結論:
FT8 が GPU を必要とする日は来ない。
しかし、次世代デジタルモードの時代には GPU と AI が中心になるだろう。
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