PLC問題 どうしたJARL? ハムフェアにてシンポジウムに参加 ― 2006年08月20日 19時49分53秒
我々の代表であるJARLが会員の意思に反して賛成を。その真意を聴くべく本日ハムフェア会場で行われたシンポジウムに参加してきました。もともとハムフェアに行く気は全然なかったのですが。
JARL技術研究所長 森 章和氏
JARL電磁環境委員会委員 武藤 浩二氏
JARL専務理事 海江田氏
が説明に来ました。
武藤氏は「問題があり個人的にはパブリックコメントには反対として意見を出した」と述べられたのに対して、森 海江田両氏は賛成と・・・ JARL内部でも一枚岩でなくバラバラです。森 海江田両氏は準備書面にはJARL会長 原氏 の代理人として名前を連ねています。代理人ですから全ての権限はこの両名が握っているのです。
しかし、何故JARLが賛成するかという説明はどうもはっきりせず会場からは怒号が飛び交いました。曰く「我々は努力してきた。これだけ厳しい値になったのも云々・・・」「苦渋の選択・・・・」。今まで反対と表明してきたものを180度変換する理由になっていません。しかもこの重要な決定事項に関しては「理事会を通していない」事が判明しました。「各理事のコンセンサスは云々」と最初ははぐらかしていましたが、結局理事会は開いていないと認めたのです。武藤氏の所属するJARL電磁環境委員会では今回の審議会に対する態度を決定する会議はなかったとのことでした。したがって「理事会や関連の委員会で議事録に残るような正式の会議無しに賛成が密室の一部理事による会合で決定された」と言っても過言ではないでしょう。(一部理事だけの会議で決定した事項ならば、良心のある他の未参加だった理事が緊急動議をかけて臨時理事会を開き、撤回させるということもできなくないように思えますが・・ その辺は詳しくないので・・)準備書面は8月7日付の日付で作成されております。そして今日まで我々JARL会員に対してはなんの説明も行われてこなかったのです。密室で決定され、ぎりぎりになって表に出す。なんと姑息なんでしょうか。JARLのWEB SITEでは何も触れられていません。メールマガジンも次回発行はなんと23日です。23日に審議会があるのです。創刊号から見ていますが月2回発行です。その月の2回目の発行が23日というのは、過去の発行日から見ても一番遅い日程です。ここにJARLの意図が見え隠れします。これだけ重要な事項なのですから、会員への告知は義務です。メルマガ臨時号を発行しても良いはずです。それができたはずです。
最後は怒濤の飛び交う中、海江田氏の一方的な退室によって幕を閉じました。非常に後味の悪いシンポジウムでした。
開催された場所にも恣意的な者を感じます。これだけ重要な内容ならば会場一階のイベント・コーナーで大勢の前で行うべき事なのでは。それを会場2階の商談室という、非常に小さな部屋で「興味のある者がわざわざ足を運ばないと行けない場所」で行ったのです。しかもハムフェアのガイドブックにはシンポジウム開催の案内の記述はありません。JARLのWEBでのみの案内です。これで会員への説明責任を果たしたなんていうのなら許されるものではありません。
JA7AO 松本OMのHPでは署名活動を実施しています。今声を上げなければ「賛成した」と見なされてしまうのです。今は「反対」の声を少しでも多く届けることが必要です。
JA7AOさんのHPを見て、23日正午までに署名FAXを1枚送るだけで意思表明ができます。是非今こそ我々の意思を示そ
うではありませんか。一人一人の意見を集めれば大きな意見となります。
今回アマチュア無線関係のBLOGを書いていらっしゃるところにTBを送信させていただきました。是非興味を持って読んでいただけたらと思います。不都合でしたら申し訳ございませんでした。
PLCの現況 の講話を聞いて ― 2006年08月20日 23時13分13秒
次に武藤JARL電磁環境委員会委員からPLCの現況についての講話がありました。この話しは面白く興味を持って聴くことができました。氏はご自身としても先のパブリックコメントには反対の意見を提出されたと述べており、非常に好感の持てる講話でした。その中からちょっと抜粋して書かせていただきたいと思います。
HF PLCとは
・非シールド、不平衡、架空
・線路と機器間のインピーダンス整合無し
・HF帯波長と同等程度以上の路線[長
→ 配電線がアンテナとして機能 : 電磁波放射
規制値案の問題点
・電界強度で規制値を規定していない
世界でも類を見ない規制値決定概念
他の高周派利用設備との不整合
・ITU-R勧告 P.328-8 との不整合
住宅地環境の人工雑音強度遙かに大きな妨害派
→田園地帯や商業地域はITU-R勧告値を採用して いる。ダブルスタンダードで問題。
・住宅地環境では放送計画が成立しない
ITU-R勧告:40[dBμV/m]@26[dB]S/N
国内短波放送:30[μV/m]ニアリーイコール 30[dBμV/m]
帯域外スプリアス発射
筐体からの放射電界強度のみで規定
他の高周派利用設備との不整合
その他制度上の問題点(1)
混信妨害が怒ったときに
・電波法第101条の適用は本当に可能?
→所有者または占有者を特定できるのか?
その他制度上の問題点(2)
・FCC Part15.1と同様の運用規則が必要
無線業務、放送受信への混信時の運用停止
適法無線局からの混信は受容
・装置に対する条件
上記運用規則のラベル添付が必要
家電機器等組込の場合:モデム機能だけを停止 できること
・家電品の本質的機能が使用できなくなる事態 を回避
・電波法第101条に定める「必要な措置」とし て必要
・機器を識別・特定する為の信号が必要なのではないか?
所有者または占有者の特定
妨害源の特定
など聴いていてうなずくものが非常に多くありました。今後もしPLCが認可された場合に、一般ユーザーは何も知りません。 ですので その他制度上の問題点(2) の内容は特に重要だと考えます。しかし武藤氏はちゃんと触れていらっしゃるのに、JARLとしては何らこの点については考えていないようです。
現在シンポジウムで武藤氏が使用されました資料が公開されています。
http://homepage2.nifty.com/preserve_spectrum/index_j.html
から
http://homepage2.nifty.com/preserve_spectrum/hamfair2006/4thJARLsymp_jh5esm_handout.pdf
その後質疑応答が始まり会場が炎上し始めました。森技術研究所長に「武藤氏は反対、JARLは賛成、おかしいではないか」と質問が入り「今日の一番のポイント・・」と答え始めましたが誰も納得せず。
その後海江田JARL専務理事が「しめ」のために登場したのですが、ますます怒号が飛び交う事態に。
JARLは一体どこを向いているのでしょうか? 会員の方を向いていないのは明らかです。残念ですが。
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